私がヨーロッパで感激したのは、手造りの洗面ボールがさりげなくレストラン、ブティック、高級住宅に取り付けてあったことです。実は、私もその時、既製品の洗面台をただ取り付けるだけというのではなく、このような本物を提供する住まい造りを目指していました。それで、日本の設備メーカーから陶器の洗面ボールを取り寄せてみたのですが、驚いたことに値段が５０万円から１００万円と非常に高価なものだったのです。

それなら陶器の本場である韓国で造ってしまおうと、韓国まで足を運び、リチュンという青磁で有名な村を訪ねました。そこで、ある人の紹介により、この洗面ボールの作家である孫先生と出会うことができたのです。孫先生には、数々の賞を取ったプライドもあったのかもしれませんが、最初はなかなかこちらの主旨を理解をいただけませんでした。しかし、３度目の訪問でようやく私の情熱が伝わり、１００個限定で製作してもらえることになりました。そして、このような素晴らしい青磁の洗面ボールを皆さんに提供できることになったのです。